試合中のエネルギー&電解質設計
3〜5時間の試合中、選手は1,500〜3,000kcalを消費する。 失敗の多くは「足りない/遅すぎる」補給。試合前24時間、試合中、試合後の 3ウィンドウで燃料を設計する。
🎯 60–90g CHO/h / 体重減 ≤ 2% / 電解質 Na 500–1000mg/h 🎓 スポーツ栄養士: Y. オキナワ #nutrition#fueling#hydration#electrolytes
計測ターゲット
試合中 CHO
60–90 g/h
高強度時の糖質補給推奨域
体重減
≤ 2%
試合前後の体重差
Na 摂取
500–1000 mg/h
高発汗時のナトリウム
試合後3h
炭水化物1g/kg+タンパク質0.3g/kg
グリコーゲン再充填窓
▸ Mindset Codes
マインドセット
- 「足りなくなってから補給」は、すでに手遅れ。喉が渇いた時点で、パフォーマンスは5%落ちている。
- 栄養はテクニック同様、練習で習熟するスキル。試合本番でいきなり試さない。
- “食べた量”ではなく、“タイミング×種類×吸収率”で勝負が決まる。
- コーヒーを朝の味方にし、糖質を試合の燃料にし、タンパク質を夜の修復薬にする。
行動設定 — Daily / Weekly Routine
- 試合3時間前
低脂質・低繊維の高炭水化物食(オートミール、白米、バナナなど)を1〜1.5g/kg
- 試合1時間前
水500ml + 電解質ドリンク。バナナ1本 or エネルギージェル
- 試合中
1セットごとに水250ml + ナトリウム入り飲料 + CHO 20〜30g(ジェル/バー)
- 試合後30分
バナナ + プロテイン20g + 水500ml。回復ウィンドウを開かない
エネルギー需要のリアル
シングルス試合のエネルギー消費は驚くほど大きい。
| 試合時間 | 推定消費kcal | 必要CHO/h |
|---|---|---|
| 90分 | 800–1,200 | 60g |
| 180分 | 1,500–2,200 | 75g |
| 300分 | 2,500–3,500 | 90g |
3セットを超える試合で、胃が受け付ける上限のCHOを毎時取り切ることが、ガス欠回避の鉄則だ。
3つの補給ウィンドウ
Window 1: 試合前24時間
- 試合-24h: 炭水化物 7〜10g/kg/day を満たす
- 試合-3h: 低脂質・低繊維の高炭水化物食(1〜1.5g/kg)
- 試合-1h: バナナ1本 / エネルギージェル / 水500ml
Window 2: 試合中
- セット毎: 水250ml + 電解質飲料 + CHO 20〜30g
- 体重1%減ごとに、追加500mlの水を補給
- カフェイン: 試合前 3〜6mg/kg、試合中は追加200mg程度を1セット目終了時に
Window 3: 試合後
- 30分以内: バナナ + プロテイン20g + 水500ml(回復窓を開かない)
- 2時間以内: 完全食(炭水化物1g/kg + タンパク質0.3g/kg)
- 翌日: 通常食 + 抗炎症性食品(青魚、ベリー、ターメリック)
電解質設計
| 発汗タイプ | Na摂取/h | K/h | Mg/h |
|---|---|---|---|
| 低発汗 | 300–500mg | 200mg | 50mg |
| 中発汗 | 500–800mg | 250mg | 80mg |
| 高発汗(暑熱) | 800–1200mg | 300mg | 100mg |
自分の発汗タイプを把握することは、選手と栄養士の最初の仕事。トレーニング前後の体重差で1時間あたりの発汗量(L/h)を測定する。
ありがちな失敗
- 試合本番で新しいジェルを試す → 胃腸トラブル直行
- 水だけで補給する → 低ナトリウム血症のリスク
- 試合中に固形物を食べすぎる → 消化に血液を取られパフォーマンス低下
- 試合後にプロテインだけ取る → グリコーゲン再合成が遅れ、翌日疲労残
専門家コメント
「栄養はテニスの“見えない技術”だ。フォアハンドを直すことに毎日2時間使う選手が、試合中の補給に5分も考えない。それで勝てるわけがない。」 — Y. オキナワ
練習ドリル
専門家が実際に練習に組み込んでいるドリル。週単位でローテーション可能な単位に分解されている。
燃料リハーサル
⏱ 60min ● Mid
試合本番で初めて試さない。練習で“食べる/飲む”の練度を上げる
- 1 1時間練習中、20分ごとに250mlの試合用ドリンクを摂取
- 2 40分でジェル1本(CHO 25g)
- 3 練習中の胃の違和感を1-5でスコア、不快なら別ブランドに切替
- 4 1週間で3〜4種類試し、自分のベスト組合せを確定
試合シミュレーション(2時間版)
⏱ 120min ● High
2時間で必要なCHO/電解質を取り切る
- 1 30分ごとに体重を測定(発汗量推定)
- 2 1時間でCHO60g、ナトリウム700mgを摂取
- 3 終了時の体重減を1%以内に
- 4 失敗時は補給量を再設計
朝の試合シナリオ
⏱ 4hr ● Low
朝9時開始試合に向けた前夜・当日朝のルーティーン化
- 1 前夜21時: 高炭水化物の主食 + 軽めのタンパク質
- 2 当日6時: オートミール+バナナ+はちみつ
- 3 当日8時: バナナ+水400ml
- 4 試合中:標準プロトコル
夜の試合シナリオ
⏱ 4hr ● Low
19時開始試合に向けた当日昼食〜試合〜回復ルート
- 1 当日12時: 高炭水化物中量(白米+鶏むね+野菜)
- 2 当日16時: 軽食(おにぎり+バナナ)
- 3 当日17:30: ジェル + 水
- 4 試合後22時: 完全食(炭水化物+タンパク質+野菜)+ 睡眠最優先